2005年 05月 06日
JR福知山線脱線事故とマスコミの報道姿勢 |
このGW期間中、TVのニュース報道にはずっと違和感を持っていた。ただし事が事だけに、これは書くまいと思っていたが、GWも一応、一段落。本日、この違和感を総まとめしてくれるニュースがアップされたので、我慢できなくなった。書くことにしたい。
産経新聞「JR西社長 会見要旨」
5日未明に開かれた垣内剛・JR西日本社長の記者会見での主なやりとりは次の通り。
社長 (事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題とボウリング問題について)大変情けなく、残念な気持ち。申し訳ない。社員全体の意識、仕事の仕組み、会社全体の問題だ。安全の問題について1から見直しをする。
記者 辞意はないか。
社長 亡くなった方へのおわびとお悔やみ、けがをした方へのお見舞いに全力を挙げて取り組んでいる。再発防止、安全問題を中心に生まれ変わったJR西日本を見せること、それが責任を果たすことと思っている。
記者 昨夜ボウリング大会について報告を受けたときにどう思ったか。
社長 こういう大惨事のときに考えられない、よく調べてほしいと言った。
記者 公表は。
社長 あってはならないこと、事実ならば調べて公表すべきだと言った。
記者 それを知っていながら、遺族にどういう気持ちで会ったのか。
社長 おわび申し上げ、生まれ変わるJR西日本にご期待いただきたいとお話ししている。
記者 不祥事をどう思うか。
社長 あれほどの事故を前にして、まず行うべきはけがをした方への救助活動、あるいはそのほかの手伝い。知らなかったで済まされる問題ではない。鉄道人として社会人として、少しでも大惨事の解決に向けて努力してほしかった。
記者 信楽高原鉄道事故の責任を12年間認めなかったツケでは。
社長 性格が違う。今回の事故と直接関係があるとは思っていない。
記者 弔問した遺族に不祥事の話をしたか。
社長 まだ詳細が把握できていなかったので。
記者 重要な問題との認識がないのでは。
社長 大変重大な問題だと思っている。
記者 なぜ今日遺族に説明しなかったのか。
社長 そこまで言わなかったが、それらも含めておわびを申し上げた。
記者 どの面下げて行ったのか、遺族の家に。
社長 大変申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
記者 重大との認識があったなら、聞いた時点で公表すべきでは。
社長 その点はおわびする。
記者 意図的に遺族に言わなかったのか。
社長 気持ちを伝えることに主眼を置いて話をしている。
記者 頭だけ下げ納得すると思っているのか。
社長 中身についてはこれから。
記者 次に不祥事が出たら責任を取るのか。
社長 その問題と責任を取ることは別だと思っている。(共同)(05/06 08:09)
もう散々ご存じであろう。この記者会見は、「事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題」と「ボウリング問題」についての会見である。もしかしてGW中、これらの問題を知らなかった方もあるかも知れないし、記事がなくなったあとの事も考慮して、この両ニュースを一応、備忘の為、挙げておく。(ご存じの方は飛ばしてお読み下さい。)
朝日新聞「「乗客」の運転士2人、救助作業せず出社 JR脱線事故」
兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)で脱線した快速電車(7両編成)に、出勤中のJR西日本の運転士2人が乗り合わせていたことがわかった。いずれも救助活動に加わらずに職場の電車区に向かい、通常通りに乗務していた。うち1人は電話で、職場の上司に快速に乗り合わせていたことを報告したが、上司は事故現場に戻るよう指示しなかった。現場を離れた理由について、2人は「気が動転していた」などと説明している。同社は「救助にあたるべきだった」として、処分を含めた対応を検討している。
同社によると、運転士歴35年1カ月のベテラン運転士(59)=森ノ宮電車区=と、同5年11カ月の若手運転士(27)=尼崎電車区。
4月25日午前9時すぎ、若手運転士は中山寺駅から6両目に、ベテラン運転士が川西池田駅で4両目にそれぞれ乗車した。いずれもけがはなかった。
電車は1~5両目が脱線し、うち1、2両目はマンションに突っ込んで大破、大勢の乗客が車内に閉じこめられた。3~7両目でも飛ばされたり、転倒したりしてけが人が続出し、付近の住民や工場の従業員らが大勢で救出作業に当たった。
しかし、ベテラン運転士は約1キロ離れた尼崎駅まで歩いて電車に乗り、事故から約1時間後の同10時20分、大阪市城東区の森ノ宮電車区に到着。途中、職場に状況を報告したが上司の指示はなかった。一方、若手運転士は同10時半ごろに尼崎電車区に着くまで事故のことを連絡していなかった。
2人は出勤後、点呼を受けて電車に乗務。3日現在も通常勤務についているという。
2人が事故車両に乗り合わせていたことは、事故当日中に両電車区を管轄する大阪支社に伝えられたが、本社に報告が上がったのは事故から8日後の今月2日。一部報道機関の問い合わせを受けて知ったという。本社側が2人に現場を離れた理由を聴いたところ「気が動転していた」などと説明した。
鉄道本部長の徳岡研三専務は3日の記者会見で、「救助にあたるのが当然だったと考える。誠に申し訳ない」と謝罪。2人をそのまま乗務させたことについては「点呼などで精神的、肉体的に乗務につけると判断した」と話した。
同社によると、乗り合わせていた電車が事故に遭遇した際の行動マニュアルはないが、社員には日頃から、異常事態に遭遇した場合は救助活動に加わるよう指導しているという。
同社によると、1両目には同社子会社の男性社員も乗っていた。この社員は事故現場から電話で上司に状況を報告したが、上司は社員がけがをしていたために病院に向かわせた。社員は肋骨(ろっこつ)が折れる重傷で、現在も入院中という。2005年05月03日
毎日新聞「尼崎脱線事故:ボウリング問題 13人は重大性認識で出席」
JR西日本天王寺車掌区(大阪市天王寺区)の社員が福知山線脱線事故発生の約3時間後、懇親目的のボウリング大会を開いていた問題で、同社は5日、参加した43人のうち13人は、事故の重大性を認識しながら出席したことを明らかにした。
同社の会見によると、13人はテレビや知人らからのメールなどから、事故で死傷者が出ていることを知った。しかし「まずいと思ったが、目上の人に物を言いづらかった」などと上司にボウリングの中止を求めなかったという。「自分がしたことを恥じている」と釈明する社員もいるという。
ボウリング大会に参加した社員は事故当日の先月25日午後0時半に集合し、同1時から約1時間、2ゲームを行った。区長ら4人は終了後、車掌区に戻ったが、22人は居酒屋で飲食。さらに、うち12人がすし店の2次会に参加、2人はその後、焼き肉店に行っていた。
区長はボウリング場に行く前に車掌区に寄り、新大阪総合指令所からの一斉放送で事故を知ったが、その重大性を認識していなかったという。
毎日新聞 2005年5月5日 18時32分
最初に触れたように、この両ニュースは、この3日(後者は昨日)、散々流れていたニュースである。もちろん、筆者も、御遺族の立場から考えると、当然「酷い」と言いたくなる気持ちは解らないではない。しかしTVなどで、コメンテーターの言として、「信じられませんね~」「自覚が無いんでしょうね~」などと言い放題の姿を見ると、ちょっと待ってくれ!と大いに違和感を覚えていた。しかし御遺族のお気持ちを察して、ブログに書くことは躊躇していたのだが、一番上の社長の会見を見て、やはり書かざるを得ない(というか、この違和感を発散せずには、別の問題を考えられない!)と思い至った。
まず3日の「事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題」であるが、実際、自分の問題と考えた時、どうすれば良かったというのであろう。
いずれも救助活動に加わらずに職場の電車区に向かい、通常通りに乗務していた。うち1人は電話で、職場の上司に快速に乗り合わせていたことを報告したが、上司は事故現場に戻るよう指示しなかった。
確かに事故現場は、会社にとっての重大事の場所である。多くの人々がボランティアなどで救助活動を手伝ったりもしている。しかし自分には、別の場所で、自分がやらなければならない仕事がある。一方、救助を手伝うといっても、その場ではJR西日本の社員であろうと近所の住民だろうと出来ることは変わらない。否、近所の方などは、自宅から毛布やノコギリ、トンカチなどといった道具を持って出ることも可能だろう。運転手本人に何が出来るのだろうか?…保線業務の従事者ならまだ出来ることはあるかも知れないが…。こんな中でも「自分の業務は人に任せて手伝え」とマスコミ及びJR西日本はいうのだろうか?また彼らマスコミは、その電車に乗り合わせていた怪我もなく済んだ方々にも、救助を手伝わなかったと言って非難するのだろうか?
さらにもう一つ。
同社によると、乗り合わせていた電車が事故に遭遇した際の行動マニュアルはないが、社員には日頃から、異常事態に遭遇した場合は救助活動に加わるよう指導しているという。
JR西日本は、本当に通勤時などの、いわゆる勤務外の時間についても、このような指導が行われているというのだろうか?通勤時間は、例え通勤手当を貰っていようと、あくまで労働時間外である。否、もし上記のような指導が罷り通るなら、通勤は8時半とか9時から家を出ればよく、帰りも、ちょうど5時頃家に着くよう帰宅してイイとでいった議論さえ出てきそうである。いったい強かったはずの組合は、何をやっているのだろうか?やはりJRになって組合は、もう骨抜きなのだろうか?R30さんではないが、筆者も、妥当な組合活動は、企業に必要なものだと思っている。こんな会社側のいい加減な謝罪に対しては、社内(あくまで社内だけで~被害者の方の耳には入らないように)で大いに議論して貰いたい。もし組合側が「セクト争い」なんて、古くさいことをまだやっているようじゃ、到底、ちゃんとした労働環境は成立しないよ。
次に「ボウリング問題」である。これに到っては、集団ヒステリーとしか言いようがない。(おっと、こう書くと非難されそうだ。筆者は、あくまで被害者の方がどう感じられるかと言う問題は、別にあるだろうと思っている。しかしマスコミは、事件の再発防止を第一義に考えるというなら、JR西の社内の連絡体制などについても、冷静な分析が何よりも肝心であろうと思うのみだ。)
参加者は、皆、年休を取ったり勤務のない人々だったようである。しかも同じJR西日本の社員(車掌)といっても、天王寺車掌区は別の管轄である。参加者が事故の重大性を知っていたとして、マスコミはどうしろというのか?会社が事故を起こした日ぐらい、社員は全員謹慎すべきとでも言いたいのであろうか?なるほど区長以下が出席したと言うことで、組織的なイベントだったことに問題があったとでも言うのか?しかし全員が出席したわけではない。なぜならJR西日本は、当日も運行しているのだ。すなわち、あくまで車掌区の非番の人々だけの集まりである。これもとりわけ問題にすべき事とも思えない。それでもあえて批判するなら、朝日新聞には特に言いたい。4月20日の珊瑚記念日ぐらい、社員は全員謹慎してなさい!酒も飲むなよ!
~おっと話が逸れた。最初の産経の記事に戻ろう。もとより社長の責任は明白である。原因が、単なる運転手一人のミスだけとは言えず、安全対策が不十分であったり、労務管理においても指摘される点がある以上、結局、社長の責任である。社長が、「亡くなった方へのおわびとお悔やみ、けがをした方へのお見舞いに全力を挙げて取り組んでいる。再発防止、安全問題を中心に生まれ変わったJR西日本を見せること、それが責任を果たすことと思っている」、ということは当たり前で、その問題が一段落したら、何にしても社長は退任せざるを得ないだろう。
しかしそれにしても、上記の記者の質問は何だろう。
記者 弔問した遺族に不祥事の話をしたか。
記者 なぜ今日遺族に説明しなかったのか。
記者 どの面下げて行ったのか、遺族の家に。
記者 意図的に遺族に言わなかったのか。
記者 頭だけ下げ納得すると思っているのか。
記者は、何様のつもりだろう?御遺族の方々に、「え~当日は、別の車掌区の事ですが、ボーリング大会がございまして~。」とでも言えというのか?それを言ったら、御遺族はどう思う?「なるほど、ちゃんと社内の状況を報告してくれたな。」なんて思うだろうか?当然「それが何か関係あるのか!」と怒られるのが関の山だろう。そしてその怒りは正当である。何故なら、何の関係もないのだから!
結局、記者会見場の記者達のこの態度は「御遺族のお気持ちを考えれば、何を言っても文句は言えまい」というものに他なるまい。そして彼らの態度は、JR西日本に対してばかりでなく、国民一般に対しても、貫かれているように思われてならない。
産経新聞「JR西社長 会見要旨」
5日未明に開かれた垣内剛・JR西日本社長の記者会見での主なやりとりは次の通り。
社長 (事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題とボウリング問題について)大変情けなく、残念な気持ち。申し訳ない。社員全体の意識、仕事の仕組み、会社全体の問題だ。安全の問題について1から見直しをする。
記者 辞意はないか。
社長 亡くなった方へのおわびとお悔やみ、けがをした方へのお見舞いに全力を挙げて取り組んでいる。再発防止、安全問題を中心に生まれ変わったJR西日本を見せること、それが責任を果たすことと思っている。
記者 昨夜ボウリング大会について報告を受けたときにどう思ったか。
社長 こういう大惨事のときに考えられない、よく調べてほしいと言った。
記者 公表は。
社長 あってはならないこと、事実ならば調べて公表すべきだと言った。
記者 それを知っていながら、遺族にどういう気持ちで会ったのか。
社長 おわび申し上げ、生まれ変わるJR西日本にご期待いただきたいとお話ししている。
記者 不祥事をどう思うか。
社長 あれほどの事故を前にして、まず行うべきはけがをした方への救助活動、あるいはそのほかの手伝い。知らなかったで済まされる問題ではない。鉄道人として社会人として、少しでも大惨事の解決に向けて努力してほしかった。
記者 信楽高原鉄道事故の責任を12年間認めなかったツケでは。
社長 性格が違う。今回の事故と直接関係があるとは思っていない。
記者 弔問した遺族に不祥事の話をしたか。
社長 まだ詳細が把握できていなかったので。
記者 重要な問題との認識がないのでは。
社長 大変重大な問題だと思っている。
記者 なぜ今日遺族に説明しなかったのか。
社長 そこまで言わなかったが、それらも含めておわびを申し上げた。
記者 どの面下げて行ったのか、遺族の家に。
社長 大変申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
記者 重大との認識があったなら、聞いた時点で公表すべきでは。
社長 その点はおわびする。
記者 意図的に遺族に言わなかったのか。
社長 気持ちを伝えることに主眼を置いて話をしている。
記者 頭だけ下げ納得すると思っているのか。
社長 中身についてはこれから。
記者 次に不祥事が出たら責任を取るのか。
社長 その問題と責任を取ることは別だと思っている。(共同)(05/06 08:09)
もう散々ご存じであろう。この記者会見は、「事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題」と「ボウリング問題」についての会見である。もしかしてGW中、これらの問題を知らなかった方もあるかも知れないし、記事がなくなったあとの事も考慮して、この両ニュースを一応、備忘の為、挙げておく。(ご存じの方は飛ばしてお読み下さい。)
朝日新聞「「乗客」の運転士2人、救助作業せず出社 JR脱線事故」
兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)で脱線した快速電車(7両編成)に、出勤中のJR西日本の運転士2人が乗り合わせていたことがわかった。いずれも救助活動に加わらずに職場の電車区に向かい、通常通りに乗務していた。うち1人は電話で、職場の上司に快速に乗り合わせていたことを報告したが、上司は事故現場に戻るよう指示しなかった。現場を離れた理由について、2人は「気が動転していた」などと説明している。同社は「救助にあたるべきだった」として、処分を含めた対応を検討している。
同社によると、運転士歴35年1カ月のベテラン運転士(59)=森ノ宮電車区=と、同5年11カ月の若手運転士(27)=尼崎電車区。
4月25日午前9時すぎ、若手運転士は中山寺駅から6両目に、ベテラン運転士が川西池田駅で4両目にそれぞれ乗車した。いずれもけがはなかった。
電車は1~5両目が脱線し、うち1、2両目はマンションに突っ込んで大破、大勢の乗客が車内に閉じこめられた。3~7両目でも飛ばされたり、転倒したりしてけが人が続出し、付近の住民や工場の従業員らが大勢で救出作業に当たった。
しかし、ベテラン運転士は約1キロ離れた尼崎駅まで歩いて電車に乗り、事故から約1時間後の同10時20分、大阪市城東区の森ノ宮電車区に到着。途中、職場に状況を報告したが上司の指示はなかった。一方、若手運転士は同10時半ごろに尼崎電車区に着くまで事故のことを連絡していなかった。
2人は出勤後、点呼を受けて電車に乗務。3日現在も通常勤務についているという。
2人が事故車両に乗り合わせていたことは、事故当日中に両電車区を管轄する大阪支社に伝えられたが、本社に報告が上がったのは事故から8日後の今月2日。一部報道機関の問い合わせを受けて知ったという。本社側が2人に現場を離れた理由を聴いたところ「気が動転していた」などと説明した。
鉄道本部長の徳岡研三専務は3日の記者会見で、「救助にあたるのが当然だったと考える。誠に申し訳ない」と謝罪。2人をそのまま乗務させたことについては「点呼などで精神的、肉体的に乗務につけると判断した」と話した。
同社によると、乗り合わせていた電車が事故に遭遇した際の行動マニュアルはないが、社員には日頃から、異常事態に遭遇した場合は救助活動に加わるよう指導しているという。
同社によると、1両目には同社子会社の男性社員も乗っていた。この社員は事故現場から電話で上司に状況を報告したが、上司は社員がけがをしていたために病院に向かわせた。社員は肋骨(ろっこつ)が折れる重傷で、現在も入院中という。2005年05月03日
毎日新聞「尼崎脱線事故:ボウリング問題 13人は重大性認識で出席」
JR西日本天王寺車掌区(大阪市天王寺区)の社員が福知山線脱線事故発生の約3時間後、懇親目的のボウリング大会を開いていた問題で、同社は5日、参加した43人のうち13人は、事故の重大性を認識しながら出席したことを明らかにした。
同社の会見によると、13人はテレビや知人らからのメールなどから、事故で死傷者が出ていることを知った。しかし「まずいと思ったが、目上の人に物を言いづらかった」などと上司にボウリングの中止を求めなかったという。「自分がしたことを恥じている」と釈明する社員もいるという。
ボウリング大会に参加した社員は事故当日の先月25日午後0時半に集合し、同1時から約1時間、2ゲームを行った。区長ら4人は終了後、車掌区に戻ったが、22人は居酒屋で飲食。さらに、うち12人がすし店の2次会に参加、2人はその後、焼き肉店に行っていた。
区長はボウリング場に行く前に車掌区に寄り、新大阪総合指令所からの一斉放送で事故を知ったが、その重大性を認識していなかったという。
毎日新聞 2005年5月5日 18時32分
最初に触れたように、この両ニュースは、この3日(後者は昨日)、散々流れていたニュースである。もちろん、筆者も、御遺族の立場から考えると、当然「酷い」と言いたくなる気持ちは解らないではない。しかしTVなどで、コメンテーターの言として、「信じられませんね~」「自覚が無いんでしょうね~」などと言い放題の姿を見ると、ちょっと待ってくれ!と大いに違和感を覚えていた。しかし御遺族のお気持ちを察して、ブログに書くことは躊躇していたのだが、一番上の社長の会見を見て、やはり書かざるを得ない(というか、この違和感を発散せずには、別の問題を考えられない!)と思い至った。
まず3日の「事故車両に乗り合わせた運転士が救助に加わらなかった問題」であるが、実際、自分の問題と考えた時、どうすれば良かったというのであろう。
いずれも救助活動に加わらずに職場の電車区に向かい、通常通りに乗務していた。うち1人は電話で、職場の上司に快速に乗り合わせていたことを報告したが、上司は事故現場に戻るよう指示しなかった。
確かに事故現場は、会社にとっての重大事の場所である。多くの人々がボランティアなどで救助活動を手伝ったりもしている。しかし自分には、別の場所で、自分がやらなければならない仕事がある。一方、救助を手伝うといっても、その場ではJR西日本の社員であろうと近所の住民だろうと出来ることは変わらない。否、近所の方などは、自宅から毛布やノコギリ、トンカチなどといった道具を持って出ることも可能だろう。運転手本人に何が出来るのだろうか?…保線業務の従事者ならまだ出来ることはあるかも知れないが…。こんな中でも「自分の業務は人に任せて手伝え」とマスコミ及びJR西日本はいうのだろうか?また彼らマスコミは、その電車に乗り合わせていた怪我もなく済んだ方々にも、救助を手伝わなかったと言って非難するのだろうか?
さらにもう一つ。
同社によると、乗り合わせていた電車が事故に遭遇した際の行動マニュアルはないが、社員には日頃から、異常事態に遭遇した場合は救助活動に加わるよう指導しているという。
JR西日本は、本当に通勤時などの、いわゆる勤務外の時間についても、このような指導が行われているというのだろうか?通勤時間は、例え通勤手当を貰っていようと、あくまで労働時間外である。否、もし上記のような指導が罷り通るなら、通勤は8時半とか9時から家を出ればよく、帰りも、ちょうど5時頃家に着くよう帰宅してイイとでいった議論さえ出てきそうである。いったい強かったはずの組合は、何をやっているのだろうか?やはりJRになって組合は、もう骨抜きなのだろうか?R30さんではないが、筆者も、妥当な組合活動は、企業に必要なものだと思っている。こんな会社側のいい加減な謝罪に対しては、社内(あくまで社内だけで~被害者の方の耳には入らないように)で大いに議論して貰いたい。もし組合側が「セクト争い」なんて、古くさいことをまだやっているようじゃ、到底、ちゃんとした労働環境は成立しないよ。
次に「ボウリング問題」である。これに到っては、集団ヒステリーとしか言いようがない。(おっと、こう書くと非難されそうだ。筆者は、あくまで被害者の方がどう感じられるかと言う問題は、別にあるだろうと思っている。しかしマスコミは、事件の再発防止を第一義に考えるというなら、JR西の社内の連絡体制などについても、冷静な分析が何よりも肝心であろうと思うのみだ。)
参加者は、皆、年休を取ったり勤務のない人々だったようである。しかも同じJR西日本の社員(車掌)といっても、天王寺車掌区は別の管轄である。参加者が事故の重大性を知っていたとして、マスコミはどうしろというのか?会社が事故を起こした日ぐらい、社員は全員謹慎すべきとでも言いたいのであろうか?なるほど区長以下が出席したと言うことで、組織的なイベントだったことに問題があったとでも言うのか?しかし全員が出席したわけではない。なぜならJR西日本は、当日も運行しているのだ。すなわち、あくまで車掌区の非番の人々だけの集まりである。これもとりわけ問題にすべき事とも思えない。それでもあえて批判するなら、朝日新聞には特に言いたい。4月20日の珊瑚記念日ぐらい、社員は全員謹慎してなさい!酒も飲むなよ!
~おっと話が逸れた。最初の産経の記事に戻ろう。もとより社長の責任は明白である。原因が、単なる運転手一人のミスだけとは言えず、安全対策が不十分であったり、労務管理においても指摘される点がある以上、結局、社長の責任である。社長が、「亡くなった方へのおわびとお悔やみ、けがをした方へのお見舞いに全力を挙げて取り組んでいる。再発防止、安全問題を中心に生まれ変わったJR西日本を見せること、それが責任を果たすことと思っている」、ということは当たり前で、その問題が一段落したら、何にしても社長は退任せざるを得ないだろう。
しかしそれにしても、上記の記者の質問は何だろう。
記者 弔問した遺族に不祥事の話をしたか。
記者 なぜ今日遺族に説明しなかったのか。
記者 どの面下げて行ったのか、遺族の家に。
記者 意図的に遺族に言わなかったのか。
記者 頭だけ下げ納得すると思っているのか。
記者は、何様のつもりだろう?御遺族の方々に、「え~当日は、別の車掌区の事ですが、ボーリング大会がございまして~。」とでも言えというのか?それを言ったら、御遺族はどう思う?「なるほど、ちゃんと社内の状況を報告してくれたな。」なんて思うだろうか?当然「それが何か関係あるのか!」と怒られるのが関の山だろう。そしてその怒りは正当である。何故なら、何の関係もないのだから!
結局、記者会見場の記者達のこの態度は「御遺族のお気持ちを考えれば、何を言っても文句は言えまい」というものに他なるまい。そして彼らの態度は、JR西日本に対してばかりでなく、国民一般に対しても、貫かれているように思われてならない。
by mt.planter
| 2005-05-06 11:07

